講  師: 鹿児島大学大学院 臨床心理学専攻 教授 土岐 篤史先生
  日  時: 平成27年 1月18日(日)14:00〜16:00
  場  所: はーと・ぱーく
  参加者: 60名




 

 鹿児島大学大学院の臨床心理学専攻教授
(児童精神科医・臨床心理士) 土岐篤史先生をお招きして、子どもの発達障害についてお話をして頂きました。

 発達障害とは何か、どんな症状や特徴があるのかを、それぞれのカテゴリー別にお子様によくみられる行動を例に、具体的なお話や、幼児期や学童期の症状の違い、どんな支援が必要か、また愛知県と比較した鹿児島の現状についてなど、お話しして下さいました。
 そのなかで先生は
発達障害とは、知的障害を除く、精神的な発達の障害を指し、世間的な重い「障害」のイメージは当てはまらないが「特異的な発達/発達アンバランス(発達凸凹)さ」があると理解されるといいかもしれない。
出生数の約10%に見られ、代表的な発達障害には、自閉スペクトラム症(ASD)注意欠如多動症(ADHD)限局的学習症(LD)などがあり要因は色々あり、それらが複合して起こると考えられていると話され、

・「お子さんにみられるのは症状・特性のなんです、育て方関わり方が悪かったからじゃないんですよ。支援に質はあるかもしれないけど決して親御さんが悪い訳ではないんです」

・「発達が遅いという事は、お子様の成長をゆっくり見られるという事なんです、ありがたい事じゃないですか」

・「やらされた経験は身につくのが難しい、忘れちゃうんですよ、だから子供さん自身が(自発的に行えるように関わり)その主人公じゃないといけないんですね」

・「支援する側はお子さんや親御さん方が主人公になれるように、黒子に徹しないといけないんだと思います」

・「適切な理解・支援の元であれば良好な変化が望める」

と優しい口調で語りかけるようにご講話下さいました。





参加された方々からは

・発達の事で暗く考えてしまうことが多かったのですが講演をお聞きして前向きに子供の成長をみていきたいと思いました。子供の苦手は特徴と思う!!楽になりました。

・療育を利用したいと思った時に紙(療育機関リスト)を渡されただけで子育てのバタバタの中で実際に利用できたのは半年1年経ってからでした。

・今後も具体的な対応、大人のADHDなどのお話など、この様な場を設けていただけるとありがたいです。

・当時は、知識も理解なく、全くひどいものでした。よく生きてきたと思います。親自身が理解への糸口がどこにもなく大変でした。

・安心して生きていける居場所として支援ができるように頑張っていきたいと思いました。障害を肯定的に受け止めていない自分が見えてました。先生のお話をきけてよかったです。

・人とのつながり、周りの理解が広がり、深まるよう、今自分の立場で今自分が出来ることを少しずつ進められたらと思いました。

・各関係機関の情報をお知らせ頂き大変ありがたかった。(参考資料もありがたかったです。)知らなかった機関もあり、今回知ることができてよかったです。

・担任の子どもたちに対する経験づくり、土台作り、明日から校内の先生たちと意見をかわしたいと考えます。

・今後も発達障害についての勉強会ペアレントトレーニング、SSTなどの講演会をしてほしい。

・幼稚園や学校の先生方に発達障害に対する正しい知識や対応の仕方をもっと学ぶ機会をとって欲しい。

・次回は「大人の発達障がい」をとりあげて欲しい

・愛知県では無料で支援が受けられたり支援の仕組みがもっとしっかりしていて驚きました。子供を育てる場所、環境によっても子供の成長度合も変わってくると思うので早く鹿児島でもさらに充実した支援が受けられるようになればと思いました。

と、親としての切実な思いや、子どもたちのために何とかしていきたいと思う方々の建設的な意見がとても多く、発達障害で困っていらっしゃる方々を支えていく仕組みをつくることも、メンタルヘルスのためにとても重要で必要なものだと、強く感じられる講演会となりました。